掛け干しの情熱
「風の谷」南阿蘇村で、近年ではほとんど見かけなくなってしまった天日による掛け干しでお米を生産する大森博さん。
「今まで色々なお米を食べ、色々なお米を作ってきましたが、何よりも天日で掛け干ししたお米が一番美味しいです。」
掛け干しは風通しをよくするために、間隔に余裕を持たせて掛けていきます。刈りとった稲を少量ずつ稲わらで束ねるのも、竹竿に干すのもすべて手作業。大変時間がかかる作業ですが、美味しいお米のためには手間を惜しまない大森さんです。
「掛け干しは、刈り取った稲をそのままの姿で数週間逆さまに天日干しします。そうすることで、葉や茎内に残っている養分がしっかりと穂に集まります。だから美味しいのです。」
稲を丸ごと刈りっぱなしのまま逆さまにして乾燥させるのは、古来からの叡知です。