サスティナブルコラム

自然から学ぶ栽培方法「自然栽培」

自然から学ぶ栽培方法「自然栽培」

アムリターラの商品には、「自然栽培 梅肉エキス」や「自然栽培 緑玄米もち」「自然栽培 米粉」「自然栽培 緑茶 やぶきた」というように商品名に「自然栽培」と名の付くものがいくつかあります。この「自然栽培」について、今回はお話したいと思います。
「自然栽培」とは?

手つかずの野山に生えている植物たちは、農薬や肥料などなくても花を咲かせ、実をつけます。「自然栽培」とは、このような自然の営みに寄り添い、農薬や肥料を使わずに、自生に近い環境で作物を栽培する方法です。「自然=人為の加わらないあるがまま、天然」と「栽培=人の手による植物の栽培管理」とは一見矛盾しているようですが、自然の姿をお手本として、作物本来の持ち味を引き出せるように、人間が必要に応じて整える栽培方法です。慣行栽培に比べて発展途上の栽培方法であるため、自然栽培の手法は農家さんにより少しずつ異なります。農家さんによっては不耕起(土を耕さない)・不除草(除草しない)を実践している場合もあります。

大切な土づくり

自然栽培は、「農薬や肥料を使わなければいい」というものではありません。どんな植物でも同じですが、土壌や栽培環境が持つ「植物を育む力」が重要です。そのため農家さんは土づくりに力を注ぎ、それぞれの植物に適した栽培環境に整え、土壌に備わる力を引き出していきます。

土壌環境に順応する植物(種)

その土地に古くから自生する野草や果実のように、その土地に順応した品種というのが存在すると考えます。例えば、京野菜として有名な大きな丸形の「聖護院大根」は、耕土の浅い土地での栽培に適する特性(丸型)を持っていたために聖護院一体で栽培が広まったと言われています。その土地の要素を活かした作物を育てるためには、土づくりによって環境要素を見極め、年月を重ねて植物(種)がその土地・環境に順応していくことも大切だと考えます。裏を返せば、自然栽培として順応するまでの間は作物が土壌や環境づくりに左右されやすく、うまく育たないことや大きさや形が不揃いになることもあるといいます。また、収穫量も肥料を与える栽培方法に比べ、減少する傾向にあるといいます。種を見極め、時間をかけることで、作物自体の育つ力が発揮されるように調整していく必要があるのです。

アムリターラでは自然栽培の作物を使用しています

アムリターラフーズ 10の約束」の一つ目に、「植物原料は自然栽培、オーガニック、野生の植物を使用しているものを扱います」と記している通り、アムリターラでは積極的に自然栽培の作物を取り入れています。

 

アムリターラで扱っている「自然栽培」と呼ぶ作物には以下の種類があります。(すべて「栽培期間中に農薬・化学肥料不使用」であることが前提です)

 

  • 肥料不使用作物
  • 緑肥のみ(農地の野菜や落ち葉などの自然利用)
  • 野生・自生の作物
  • 「腐植前駆物質」などの土壌改良基材で土壌を整えた後に肥料不使用で栽培した作物
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    野生や自生の作物は、人の手で栽培されてはいませんが、自然環境で育った作物という意味で捉えています。もちろん、どの栽培方法であっても、植物自体が目的に沿って育つことに変わりはありませんが、アムリターラでは上記の自然栽培作物を循環型農業の一つとして捉え、取り扱っています。

     

    【参考資料】
    自然栽培全国普及会