サスティナブルコラム
サンゴ礁を守るために、私たちにできること
- サンゴ礁が世界的な危機に!?
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現在、世界のサンゴ礁の約75%が危機にさらされています*。地球規模で起きている温暖化による環境ストレスに加え、農地の肥料や畜産の糞尿により海水が富栄養化したり、生活排水により汚染されていること、過剰な観光利用でサンゴが直接的に破壊されていることなど、いくつもの原因が絡み合って現状に至っています。
また、2021年からハワイ州では紫外線吸収剤のうち特定の成分(オキシベンゾン/メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)を含んだ日焼け止めの販売・流通が禁止されることになりました。これらの紫外線吸収剤が水質汚染を引き起こし、サンゴの白化に影響を与えているためです。
*Reefs at Risk 2011(国立環境研究所 環境儀No.53より)
サンゴの白化とは
通常、サンゴは褐虫藻とよばれる植物プランクトンと共生し、そのプランクトンの光合成による栄養分を摂り込んで生きています。しかし、何らかの環境ストレスがかかると、サンゴはこの褐虫藻を放出し骨格の色が透けて見え、白色に変わったように見えます。これがサンゴの白化です。白化してもしばらくは生きていますが、この状態が長く続くとやがて死滅します。現在、世界各地でサンゴの白化現象が問題となっています。
- 天然の防波堤、海の熱帯雨林
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サンゴが積もってできた岩礁である“サンゴ礁”には様々な役割があります。一つは防波堤の役割。激しい波を食い止め、海辺に住む人や生物を守っています。2004年のインド洋津波の時は、サンゴ礁が良い状態の地域は被害が小さかったそうです。
そして、魚や貝をはじめ多くの生物が集まるため、サンゴ礁には熱帯雨林に匹敵するほどの生態系が構成されています。地球上の海のたった0.2%の面積しかないサンゴ礁に、海洋生物の約1/4が生息しているといえばイメージしやすいですよね。
また、サンゴは二酸化炭素を収力して固定します。世界のサンゴ礁が固定している二酸化炭素の量は、大気中の量の2倍ともいわれています。地球全体、生き物全てにとってサンゴの果たす役割が非常に大きいことが分かります。
- 生物の多様性は世界有数、沖縄のサンゴ礁の現在
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最新の調査では、国内最大のサンゴ礁であり、かつては色とりどりのサンゴの群生地であった沖縄の「石西礁湖」でも大規模な白化現象が認められ、死滅したサンゴは56%、一部白化したサンゴは少なくとも97%に達していることが分かったそうです。
サンゴが死滅しサンゴ礁の生態系が崩壊すると、漁業資源が失われます。そうなれば、当然我々人間にも大きな影響があります。一方で、サンゴの成長・自然再生には長い時間を要します。つまり、サンゴ礁の崩壊は、長期的に豊かな生物環境が損なわれることを意味するのです。
- サンゴを守るためにできること
サンゴおよびサンゴ礁の死滅・崩壊に関する対策は多岐に渡ります。海洋保護区を設定したり、土砂の流入を防ぐといった大きなアクションの他に、個人レベルでできることとしては、サンゴの養殖植え付け・保護活動をしている団体への寄付。生活の中で変えられることとしては、水質汚染を防ぐために洗剤や化粧品・日焼け止めを見直すことなどがあります。
アムリターラでは紫外線吸収剤や、植物の成長を妨げたり生物にも影響が懸念される100nm以下のナノ粒子は使わず、代わりに植物のポリフェノールやカロテノイドなどのフィトケミカルや、活性酸素を発生しない酸化セリウムなどで日焼け止めを作っています。
また、アムリターラでは、以前より一部のサプリメントや化粧品に沖縄の化石サンゴを使用しています。〈ハイビスカス チーク〉には、沖縄在来種の「あかばなぁ」と呼ばれる宮古島の美しいハイビスカスを原料として使用しています。
そのようなご縁に感謝し、また、持続可能な社会を目指す企業として、〈ハイビスカス チーク〉の売り上げの一部を「アクアプラネット」に寄付させていただいています。「アクアプラネット」に集まった寄付金は、沖縄のサンゴ礁の再生や保護、養殖植え付け、養殖技術の確立のために使われます。
『化石サンゴ』とは
沖縄県で海面低下や地殻変動により地上に化石として露出したもの。主成分は炭酸カルシウムで、その他60種類以上の天然ミネラルが含有されています。アムリターラが製品の原料として使用しているサンゴは、採取が認可されており、環境破壊やワシントン条約にも抵触しないものです。
- 心身ともに健やかに美しくあるために
自然から生まれた私たちは、やがては自然に還る身。自然の中にいると、本来の健康的な美しさを取り戻します。一方、美しくあるために不自然なものを使うと、一時的には良いように思えても、やがて心身にひずみが出てきます。
ひずみが出るのは私たちの心身だけではありません。自然の一部として命を授かった私たち。その恩恵に感謝しつつ、今できることを少しずつでも行動に移し、常に“自然とともに美しくあること”を心掛けていきませんか?
- 参考サイト:
国立環境研究所アクアプラネット
https://www.aqua-planet.org/