サスティナブルコラム
アムリターラLABO第2回の主役は「ハマナス細胞水」
- 学び、触れてから作って実感。LABOスタート
「自然が持つ叡智を学んで、見て、触れて、口にして、その驚くような力を五感で感じてみよう」をコンセプトにスタートした体感型ラボラトリー「アムリターラLABO」。第1回の白味噌づくりに続く第2回として、「薔薇細胞水の世界を堪能する『あなただけの二層式アロマティックオイル作り』」を2025年1月末に行いました。
講師を務めたのは、アムリターラの全コスメを開発する代表の勝田小百合。勝田が20年も前から魅了され続けている日本原種の薔薇・ハマナスの魅力を徹底的に掘り下げます。その“細胞水”に宿る力とは? また、「あなただけの」二層式オイルとはどんなものなのか。実際にイベントに参加したスタッフがレポートします。
会場のアムリターラBioオフィスには、そこかしこに薔薇の花がしつらえてありました。席に着くと、それぞれの使用キットと、机の真ん中には濃い赤色の液体が用意されています。そこに講師の勝田が白衣姿で登場! LABO始まりのわくわく感が高まります。
挨拶をするなり、「二層式アロマティックオイルを作るにあたり、まず座学がこってりあります。70枚以上のスライドを作ってきました」とさっそく勝田らしいユーモアが飛び出し、会場の雰囲気がほぐれました。その言葉どおり、アロマティックオイルに使う「ハマナス細胞水」「紫根オイル」「精油」の3つについて順に学んでいきます。
- 目の覚めるような細胞水体験
植物細胞水とは、植物(花・葉・樹皮・根)がもともと蓄えている水分のみを抽出したもの。水を一切加えず、35℃の低温・減圧で蒸留して抽出します。
広く知られる芳香蒸留水(フローラルウォーター)と似ているようですが、蒸留水は植物を高温の水蒸気で蒸し、その蒸気を冷やして精油を抽出した副産物として得るもので、まったく別物。植物細胞水は表面張力が低く、浸透にすぐれ、香りはもちろん、その植物をその植物たらしめる情報が含まれていることを、勝田の解説を聞きながら学んでいきます。
アムリターラの天然水「オージャス」を少量注いだAの紙コップに、何かの細胞水をシュッと吹きかけてもらい鼻を近づけると、桜餅のような甘い香りが……。隣のお客様が即座に「ラベンダーかな」と言い当てていらっしゃり、さすがと心で拍手を送りました。Bの方の透きとおるように華やかで、心地よい野生のムードもほんのり漂う薔薇の香りがハマナス。
香りと味わいの鮮烈さに驚いていると、勝田から「こうなると原液も飲んでみたいですよね」と提案があり、ごく少量のハマナス細胞水原液が配られます。「こ、こんな贅沢なことしていいの!?」と恐る恐る口に運び、会場みんなで驚愕。すごい、何これ、と感嘆の声が聞こえてきます。私は身体じゅうに幸せのカーニバルが起きたようでした。「香りそのものを飲む」という経験を初めてしたように思います。「水は情報を運ぶ」と学んだあとなので、ハマナスの遺伝子の情報を乗せた細胞水が、自分たちの身体に広がっていくのを想像し、さらにうきうきしてきます。
それからさらに勝田の解説は続き、ローズの香りが人の表情を魅力的にしたり、大人の女性を輝かせたり、ストレス値にも影響があることなど、さまざまな実験結果をもとにこれでもかとローズの魅力を教えてくれました。
- 紫根オイルに4滴の精油を吟味してセレクト
小さなビーカーに入ったピンクの液体は、紫根オイルでした。紫根の本体であるむらさき草は絶滅危惧種で、大変希少な国産無農薬のものが用意されていました。紫根を乾燥させ、ホホバオイルに浸けておくと、このようにヴィヴィッドな色に染まるそうです。
紫根といえば、アムリターラでは大人気の「ブラックシード バリアバーム」の原料としてもお馴染みですよね。紫根を主とした軟膏「紫雲膏」を考案した、江戸時代の外科医・華岡青洲(はなおか・せいしゅう)は、江戸時代末期に世界で初めて全身麻酔の手術を成功させた人物でもある、と勝田の話が広がります。「紫雲膏だけでなく、消毒液にローズウォーターを用いていたという記録を読んで、僭越ながら華岡青洲にシンパシーを覚えるんです」というお話も、とても印象的でした。
さあ、いよいよ二層式オイル作り。3種類で配分を決めても選択は自由。ローズゼラニウム、真正ラベンダー、フランキンセンス、パチュリ、ベルガモット、スイートオレンジ、ジャーマンカモミール、ヤロウという8種類の精油の特徴を教えてもらい、どんな配分にしようか考えます。
パチュリやヤロウは好みの分かれる個性の強い香りで、ジャーマンカモミールやヤロウをいれると青が加わって紫色に変化する、そして最終的にはハマナスの香りと合わせることを念頭に、など事前に注釈を受けながら、好きな香りでまとめるかちょっと冒険してみるか、みなさんが思案していらっしゃる様子が伝わってきます。
私はフランキンセンス2滴、ローズゼラニウム1滴、スイートオレンジ1滴にしてみました。精油を扱うことが初めてだったので、こうなるのか、と発見もありつつ、とても納得のいく香りにまとまって嬉しくなります。
- “あなただけの”色と香りと効能に
小さなボトルにまずハマナスの細胞水を注ぎ、その上に精油を加えたオリジナルの紫根オイルをスポイトで注入していきます。水と油がしっかりと分離されています。慎重に注ぎきったら、わたしだけの二層式アロマティックオイルの完成!
同じテーブルの方のものは、ジャーマンカモミールを1滴使ってきれいな紫色になっていたので並べて撮影させてもらいました。どちらもめちゃくちゃかわいいです。軽く瓶を振ると攪拌される様子も美しい。
- ローズ尽くしの二層式スイーツでティータイム
それぞれのオリジナルオイルが完成したところで、開発課の亀山が製作したローズスイーツが振舞われます。ローズって肌につけても香りをかいでも最高なのに、食べることもできるのか……と、もう脱帽の限りです。
メニューは、「アロエとローズの2層ジュレ」と「ローズ湧き立つ大人チョコ」、さ姫の薔薇茶を添えて。ジュレは、ハマナスとさ姫の花びらをそれぞれ煮出し、アムリターラのアロエジュースを加え、ザクロやはちみつで味わいを調整してあり、さわやかで新感覚。通常用量の半分の寒天を使うと、きれいなジュレ状になるそうです。
チョコレートはハマナス&さ姫にダマスクローズも加え、まさにローズ尽くし。大切に噛みしめていくと、カカオ本来の苦みがしっかりと味わえて、アムリターラのショコラティエでもある亀山の「カカオが本来果実であることを思い出しませんか」という言葉が腑に落ちてきます。見るに美しく食べて美味しく、そしてどちらもしっかり二層式になっているところがニクい演出。さすがの一言です。
楽しいティータイムを過ごしていると、このたびリニューアルした「ローズ アムリタ ウォーター」、「ローズ リビング セラム」、「ローズ エナジー クリーム」のテスターが各机に配られます。どんなパワーアップが施されたのかを聞きながら、手に取ってその香りやテクスチャーを確かめました。
これまでの1時間半近くの時間でローズの凄さを存分に思い知っているので、化粧水や美容液といった形で触れることができるのが嬉しく、よりローズの素晴らしい成分を体感できるような感覚がありました。
「自然栽培の田んぼに足をつけると人生が変わる」という考えから、アムリターラでは2024年に、15周年を記念して「人生が変わる田植えツアー」を行いました。今回のローズLABOも、図らずも人生を変える体験をご提供できたのではないかと感じます。個人的な所感として、例えばハマナスの細胞水原液を飲む前後では、違う自分になっていると感じるためです。
アムリターラオフィスを出る最後の瞬間まで薔薇の香りに包まれた、幸福感いっぱいのLABOイベントとなりました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。次回は一体どんなアメイジングなLABOが立つのか、社員の一人として楽しみでなりません。