サスティナブルコラム
「アムリターラLABO」始動!
白味噌づくり講座レポート
- アムリターラLABOとは?
この度アムリターラでは「自然が持つ叡智を学んで、見て、触れて、口にして、その驚くような力を五感で感じてみよう」というコンセプトのもと、体感型ラボラトリー「アムリターラLABO」をスタートしました。
その第1弾として、2023年12月に、アムリターラの味噌や甘酒でもお馴染みのマルカワみそさんによる白味噌づくり講座を行いました!
マルカワみそさんは福井県で大正時代に創業し、今ではとても珍しい蔵付き麹菌&天然醸造で昔ながらの味噌づくりを行っている味噌蔵です。工場長の河崎紘徳さんにお越しいただき、アムリターラ代表の勝田小百合と、商品開発の亀山の3人で味噌の偉大なる力についてたっぷり2時間語り尽くしました。
今回のコラムでは、盛り上がった白味噌づくり講座について、実際に参加したアムリターラスタッフによるレポートをご紹介します。
- マルカワみそさんから「昔ながらの味噌」について学ぶ
開口一番「みなさまの貴重なお時間ですから、損しない有益な情報をお伝えします!」と熱い意気込みのもと河崎さんによる講話がスタート。速醸法と天然醸造の違い(マルカワみそさんは昔ながらの製法である天然醸造で味噌を作っています)や、純粋培養菌と蔵付き麹菌の違いを教えてくださいました。このコラムを読んでくださっている方にもぜひ知っていただきたいので、一部内容をご紹介します。
純粋培養菌と蔵付き麹菌の違い麹菌(学名:アスペルギルス オリゼー)は日本にのみ存在する菌だとご存じでしたか?私は河崎さんの話を聞いて初めて知ったのですが、麹菌は「国菌」という呼ばれ方もされているほど、日本特有の菌なんだそうです。
そんな麹菌ですが、現代では安定して供給できる「培養」によるものが主流で、マルカワみそさんのように味噌蔵に棲みつく(空気中に存在する)麹菌を採取した「蔵付き麹菌」はとても希少。採取した菌を分析したところ、自然界に存在する4種類の麹菌が発見されたそうです。
この違いは味わいにも関係して、純粋培養の麹菌は「単一の菌」で例えるならソロアーティスト。一方向の味わいしか出せません。対して4種類の麹菌は4人のバンド。それぞれ特徴が異なり甘みや旨味、深みといったハーモニーを生み出すと学びました(このあとのコーナーで蔵付き麹菌の味覚を体験します)。
- 自然栽培の材料で白味噌づくりを体験
今回のメインイベント、白味噌づくり。白味噌は普通の味噌の半分しか塩を入れず、その代わりに米麹をたくさん入れて糖化させるのがポイントです。また味噌を加温するのも白味噌の特徴です。
[ 材料 ]「日本で最高級の材料を用意しました!」という河崎さんの言葉通り、マルカワみそ×アムリターラのイベントだからこそ用意することができた希少なものばかり。とくに米麹には、アムリターラでもお馴染みの熊本の実取さんが育てた「穂増」を使用していて、亀山が「穂増はおそらく現存する日本で一番古い品種のひとつ」と紹介すると、みなさん驚いている様子でした。「せっかく作るのなら、体に良いもので作りたい」という想いを叶えてくれる材料です。
- 煮大豆240g(自然栽培大豆 北海道産トヨムスメ)
- 白米麹250g(実取さんの自然栽培掛け干し古代米 穂増)*蔵付き麹菌
- 塩20g(アムリターラソルト)
作り始める前に白米麹の香りを嗅いだのですが、生麹のとても芳醇な甘い香りにうっとり。これは乾燥麹にはない、生きている麹が織り成す香りなのだと感じました。
[ いざ実践! ]白味噌の発酵は自宅の炊飯器を使って行うため、この日は「煮た大豆を自分の体重を使って手の平で細かく潰す」→「大豆・塩・白米麹を入れて混ぜ合わせてよく捏ねる」の2工程を行いました。私は普段パソコン作業ばかりやっているので、こういう手作業はとても新鮮。無心になりながら混ぜ合わせる時間は幸せすら感じました。
「アフターケアも行いますのでいつでも連絡くださいね!」とサービス精神にあふれた河崎さんの温かいお人柄のおかげで、終始和やかなムードの中で仕込みを行いました。
[ 後日談 ]白味噌づくりの翌日、自宅の炊飯器で仕上げに取り掛かりました。味噌玉を作って、それを炊飯器に入れて平らにして7時間ほど保温すれば完成。自分で作った白味噌に愛着を感じています!
- 体が喜ぶ味わい!
蔵付き麹菌を味覚で知る 白味噌づくりの後は、お楽しみの試食タイム。「白味噌の精進お雑煮」「白味噌のべったら漬け」「奇跡の甘酒スイーツ」といった蔵付き麹菌で仕込んだ味噌や甘酒を使った料理をいただきました。先ほど4種類の麹菌の味わいについて学んだばかりなので、実際に食べてみて一辺倒ではなくて深くて複雑なハーモニーを実感。特にお雑煮は尖っていなくて丸みを帯びたやさしい味わいでした。
- メモ書きが止まらない!
菌活美容&発酵トーク イベントの後半は、勝田小百合による「菌活美容講座」と、河崎さん×勝田小百合×亀山によるマニアックな「発酵トーク」。初めて知ることやためになる情報ばかりで、私も含めてみなさん熱心に聞き入っていました。こちらも一部内容をご紹介します。
[ 菌活美容講座 ]「アムリターラは微生物の恩恵を大切にしているブランドです。肌に棲んでいる微生物をかわいがりたいと思っているんです」という勝田の言葉から始まった菌活美容講座。
皮膚には一兆個の微生物が棲んでいる!
私たちの体重のうち約2.5kgは微生物の重さで、皮膚にはなんと一兆個の微生物(細菌)が棲んでいるそうです。ご存じの方も多いと思いますが、皮膚には表皮ブドウ球菌(善玉菌)、アクネ菌(日和見菌)、黄色ブドウ球菌(悪玉菌)などが存在していて、これらの皮膚常在菌のバランスを良い状態に保つことが美肌の鍵。ただ、化粧品に含まれる成分(合成防腐剤や合成界面活性剤など)によっては菌バランスに影響を与える可能性があるため、見極める必要があります。
[ 発酵トーク ]マルカワみそさんとアムリターラの出会いは、アムリターラフーズを立ち上げた10年ほど前まで遡ります。そのとき亀山は「マルカワみそさんの美味しさに取り憑かれた」と当時を振り返るところから3人による発酵トークがスタート。蔵付き麹菌の取り組みや、木桶による天然醸造で仕込むところに惚れ込み、「アムリターラの味噌を仕込むならここだ!」と思ったと話します。
味噌の選び方
市販の味噌の中には、味噌をボイルしたりアルコールを入れたりすることで発酵を抑制しているものがあるそうです(=殺菌されているので味噌が生きていない)。全成分に「酒精」と書いてあると発酵を抑制していることが分かりますが、ボイルされているかどうかは全成分では分かりません。一方、空気抜きのバルブがついた容器の味噌はボイルされていません(生味噌はバルブが付いていないとガスが発生して膨れてしまうため)。
味噌の褐色成分「メラノイジン」
味噌は生き物。味噌の発酵が進むと、メイラード反応という化学反応により味噌が濃く褐色していきます。そしてこの反応により、「メラノイジン」という物質がつくられることが分かっているそうです。最後に。河崎さんは「和食の食文化を次世代に引き継ぎたい」という熱い思いを胸に抱えて活動しています。そこには日本の食生活が変化している背景があると言います。小学校で味噌づくり体験を行ったときに、朝味噌汁を飲む子どもは教室に2~3人ほどだったそうです…。「日本のお味噌汁は世界に誇るスーパーフードであり、お味噌汁は世界で一番健康になれるスープ。みなさんぜひお味噌汁を飲みましょう!」というお話でイベントは幕を閉じました。
アムリターラLABOでは、これからもさまざまなイベントを開催していく予定ですので、どうぞお楽しみに!