サスティナブルコラム

メイクとクレンジングはセットで考える

メイクとクレンジング

メイクをしたら、誰もがクレンジングでメイクを落とすと思います。その際、注目してほしいのはクレンジングに配合されている「界面活性剤」です。界面活性剤には洗浄や乳化などの作用があり、クレンジングを含むさまざまな化粧品に使われています。ですが、合成の界面活性剤の中には作用の強いものもあり、私たちの肌に備わる「肌バリア」を弱めてしまう可能性があります。

 

潤いに満ちた美しい肌のためには、肌バリアが正常に機能していることが重要なので、アムリターラのクレンジングは、石油・植物などの由来を問わず、合成界面活性剤は不使用。ファンデーションなどの化粧品を選ぶときは、合成界面活性剤を使用していないクレンジングでも落とせるような成分の化粧品を選ぶのがアムリターラ流です。

 

*潤いのある角質層と皮脂膜が、乾燥と外部刺激から肌を守ること

 

メイクとクレンジング

シリコーンオイルについて

シリコーンオイル

ここからは具体的に、化粧品に配合されている原料についてお話します。

 

化粧品に広く使用されている原料のひとつに「シリコーンオイル」があります。シリコーンオイルは、基本的には水にも油にも溶けない原料です。シリコーンオイルとは総称で、「ジメチコン」「メチコン」「シクロメチコン」「クロスポリマー」などの成分名で化粧品に使用されています。

 

シリコーンオイルは優れた撥水性が特徴です。そのためコーティング剤のような役割で、化粧崩れを防いでメイクの持ちを良くする一方、被膜性が強いため肌に貼りついて落ちにくいという側面もあります。

 

シリコーンオイル

ナノ粒子について

ナノ粒子

「ナノ粒子」とは、1~100nm(ナノメートル)の極めて微小な粒子のことです。1nmは「100万分の1mm」なので、肉眼では見ることのできないくらい非常に小さなものだと想像できると思います。

 

近年では、ファンデーションの色材となる酸化チタンや酸化亜鉛がナノ粒子化され、5~35nmほどのサイズのものが一般的に使用されています。原料をナノ粒子化することで、紫外線遮断効果を発揮したり、使い心地が向上するなどの利点もありますが、非常に細かい粒子なので皮膚の奥にまで入り込むとクレンジングで落としにくく、肌に残留する可能性もあります。

 

ナノ粒子

タルクの問題

タルク

「タルク」とは、鉱物である滑石(かっせき)をパウダー状にしたものです。白色でなめらか、さらに吸着力が高いため、ファンデーションやフェイスパウダーの主成分として使用されています。

 

しかしタルクは、アスベストの一種であるトレモライトという鉱物と近い場所で形成されるため、粗悪なものだとタルクにトレモライトが混入している恐れがあります。かつて、ベビーパウダーにアスベストが混入されていた事件を覚えている方も多いと思います。タルクに関して見解は分かれますが、アムリターラではタルクは使用しないようにしています。

 

タルク

合成着色料やコチニールについて

合成着色料やコチニール

合成着色料は別名「タール色素」とも呼ばれていて、全成分表示では赤色5号、黄色4号など「○色○号」と表示されています。かつては石炭のコールタールから作られていましたが、現在は石油を原料として作られ、広く普及している着色料です。

 

しかし、タール色素の発がん性が指摘されるようになり、日本でも1965年に赤色1号、赤色101号をはじめ、いくつかのタール色素の使用が禁止されるようになりました。ですが、食品添加物として使用が許可されているものは12種類である一方、化粧品では未だに83種類も許可されています。その中には諸外国で使用禁止になっているものも含まれています。

 

また、天然色素でピンク色を出すのによく使用される「コチニール」「カルミン」という色素もあります。コチニールはペルーなど中南米原産のサボテンに寄生するエンジムシから得られた着色料で、カルミンも同じくサボテンに寄生するカイガラムシから得られます。

 

合成着色料やコチニール

ここまでお話したことを踏まえて、アムリターラではシリコーンオイル・ナノ粒子・タルク・合成着色料・虫由来の色素は使用しないと決めています。例えばグロスはピンク色を出すために、『万葉集』時代から存在する日本古来のむらさき草の根である「紫根」で色づけしています。

 

メイクの基本は、自分の美しさをできるだけ引き出したり、気になる部分をカバーしたりすることだと思います。使い心地や仕上がりはもちろん大切ですが、毎日のように肌にのせて使うものなので、安心して使える成分であることが重要だとアムリターラは考えます。