サスティナブルコラム

美容にも健康にも。多岐にわたる活躍

ビタミンC

「ビタミン」は、エネルギー源や身体の組織をつくる成分ではありませんが、美容や健康維持には欠くことのできない重要な栄養素です。その中でも積極的に摂る人が多いビタミンと言えば「ビタミンC」ではないでしょうか。ビタミンCは万能なビタミンで、私たちの健康のためになくてはならない存在です。ほかの栄養素との関係にも深く関わっているビタミンCの活躍をご紹介します。

ビタミンC

 

相性の良い栄養素など

・コラーゲン
コラーゲンは体内のあらゆる場所に存在し、美容のための重要な成分であることが知られています。ビタミンCはコラーゲンとの相性が良く、その相性の良さはコラーゲンの3重らせん構造と関係があると言われています。
・鉄
鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、腸管吸収率の低い非ヘム鉄は、野菜・穀類・卵・乳製品に多く含まれています。
・ビタミンE
ビタミンEは細胞膜に存在するビタミンです。ビタミンEにとってビタミンCはなくてはならない存在です。
・アドレナリン
アドレナリン(副腎髄質ホルモン)とはホルモンの一種で、興奮したときやストレスを受けたときに分泌されます。

 

ビタミンCは意外と多く消費されている!

ビタミンCは、私たちの想像以上に身体の中で多く消費されています。ビタミンCの大量消費にはさまざまな要因がありますが、消費されたビタミンC(=酸化したビタミンC)は再び還元型のビタミンCに変換され、再利用されるものや加水分解されるものなどさまざまな用途を辿ります。

 

ビタミンCはこのようなときに大量に失われます

検温

  • 風邪をひいたとき
  • ストレスを感じたとき
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 激しい運動

検温

 

年齢を重ねるにつれ減少するビタミンC濃度

ある研究では、加齢にともない血液中のビタミンC濃度が減少することが報告されています。意識的に多くのビタミンCを摂取しているつもりでも、ビタミンCは水溶性のため尿として流れることや消費量が多いことから、気づかぬうちにビタミンC不足になる可能性があります。

 

厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準(2020年版)を見ると、ビタミンCは1日に100mgの摂取(成人男女)が推奨されています。

 

ビタミンCの豊富な食品 
※食品100g当たりのビタミンC含有量

野菜類

赤ピーマン

赤ピーマン…170mg
芽キャベツ…160mg
黄ピーマン…150mg
パセリ…120mg
ブロッコリー…120mg

果実類

アセロラ

アセロラ…1,700mg
ゆず(果皮)…160mg
レモン…100mg
キウイフルーツ…69mg
いちご…62mg

※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
要注意!ビタミンCを壊す酵素「アスコルビナーゼ」

ビタミンCを摂取する際に注意してほしいのが、ビタミンCを酸化させる(壊す)酵素「アスコルビナーゼ」の存在です。野菜や果物にアスコルビナーゼが多く存在すると、ビタミンCを酸化させてしまうため、ビタミンCを多く含む野菜とアスコルビナーゼを多く含む野菜を一緒に調理するときは注意が必要です。

 

アスコルビナーゼを多く含む食品

  • 人参
  • かぼちゃ
  • カリフラワー
  • きゅうり
  • 春菊
  • キャベツ
  • リンゴ
  • バナナ

ビタミンCは、美と健康のあらゆる面で基礎となる重要な栄養素でありながら、体内で合成できない成分です。食事やサプリメントでビタミンCを積極的に摂取しましょう。

参考文献:『ビタミンCの事典』(東京堂出版)石神昭人